DT日記

家を離れた自宅警備員の日記

ぼくとFuniSayaとクリエイティビティ

そんなものはないし、ない袖は振れない*1 ヾ(#><)ノ゙☆

しかたがないからってわけじゃないけど、ももんが描きました。


「うきうきももんが」/「tadsan」のイラスト [pixiv]


FuniSaya Advent Calendar 2013 - Adventarの12日めでした ヾ(〃><)ノ゙

11日めはid:anoworlカッティングプロッタで羽の様な名刺を創ろう - anoworl's blog、次の13日めは@さんのようです。

じひはない

追伸

なんでそこらでUSAMI Kentaさんとか呼ばれてるのかと思ったら、AdventarにGitHubアカウントでログインしてもGitHubのUsernameとかリンクとか出ないの…

*1:が、仕様がないのでぐだぐだとクリエイティビティの話でもしたうございます。何を以て創作とするかは難しいところではございますが、人は人のつくった創作を糧として有形無形の創作を食んで生きてまゐります。本は心の営養などといふことばもございます。現代社会に於ては既に印刷され製本された書籍といふ形式をとらない創作物がワールドワイドウェブに溢れ、だからこそ私奴は営養を無限に得るべくワールドワイドウェブに心惹かれるのです。私奴が人の創作を食むことを好んで生きてゐるのだと自覚をおぼえたのはいつごろだったでせうか。本が自覚的に手にとって能動的に読むものであるのに対して音楽は人の心に自然に染みわたる創作物です。中高生にもなれば深夜ラジオに耽るものも少なからず居りませうが、私奴もその様な少年だったのでございます。音楽は人の心を無意識に侵す創作物です。その無意識の支配下から逃れるべく、能動的に創作物へと向きあふ様になったのではないでせうか。ワールドワイドウェブに触れたのもその頃でしたが、そこで私奴は二次創作のゲームに触れ、そしてそのゲームは自らにもつくることができるのだと学びます。幸いにして当時(2002年頃…?)には僕の好んでゐた様な様式のゲームを作る環境はあったのです。ところが私奴には集中力がございませんので、プロットを練り上げ、ある程度つくった段階で人に見せることもなく、それ以上にほかのひとがつくりあげた創作を食むことに夢中になってしまふのです。ゲーム、小説、SS、音楽、やる夫スレ。さまざまなコンテンツを食み、自ら生み出すことを望みながらも、胸のうちに生まれたがってゐる発想の種の芽生えを感じながらも手を動かすことができない。ひとに見せられる様なものを作り上げることができない。その様なひとがどの程度居るのかは存じ上げませんが、このようなCGM文化の時代に生まれてきてしまって、食欲を上回る情動を持つことができなかった者の業だと申せませう。私奴はいつの日か創作物を排泄することができるように、10代の時間を日本語に、そしていま20代になった今の時間をプログラミングと、それまで以上に多量の創作を食んでいくことに費やして居ります。世界は創作者に溢れてをります。私奴は次の一年に、またはこれから足を踏み入れることになる20代後半に、もしくは今を基点とした後半生のうちに、自らを創作者として自認できるようになれるのでせうか。とはいへ今の時点で、ぐうの音も出ないほど素晴らしい創作物を目にしたときに、たいへんにつらさを感じつつあります。このような誰の毒にも薬にもならない文章も創作の切れ端であることを信じて、神ではない他人と自分の可能性を信仰しつつ、これからも折れずに自らを貫き、賽の河原のような創作を続けることができるでせうか。恥ぢない人生を送りたいものです。まづは料理といふ創作に情熱を燃やしたいと願ひつつ

もしもパーフェクトRubyがなかったらルビーはたちまち凍りつく

こんにちは! パーフェクトRuby Advent Calendar 2013の4日め! らしいです! 読者です! 発売日に購入しました! タイトルは適当です!

前の記事はid:t2osオンラインパーフェクトRuby読書会 - パーフェクトRuby Advent Calendar 3日目 - tatsuo.sakurai's diaryです。

さて、「パーフェクトRuby」は背表紙の煽り文句にRubyの全てを完全網羅!と書くだけあって、実に豊富な話題が取り上げられた書籍です。

Part5は特に実践的で、いままで書籍ではありそうでなかった「gemパッケージの作り方」「コマンドラインアプリケーション開発」「Webアプリケーション開発」といった実際のRubyの開発チュートリアル、そしてよく利用されるBundler、Capistrano、YARD、Pryといったツールの解説がまとまって居り、一読の価値があります。このパートだけ、もしくはパート4と合せた内容だけで一冊の本になるようなボリュームがあります。

「パーフェクトRuby」の話は細かい話はきっとほかのひとたちがするので、ほかのRuby書籍との比較でもしてみます*1

たのしいRuby

2002年の初版から定評のあるRuby入門書の最新版です(2013年6月発売)。

「パーフェクトRuby」はパーフェクトな本であり、ほかの言語で十分な開発経験のあるひとがすぐにでもRubyのエコシステムを網羅することには非常に向いていますが、残念ながらやさしい内容ではありません。これは難しいと思ったときに読むべきなのはこの「たのしいRuby」です。こちらはプログラミングの経験がなくてもじっくり読んで手を動かしていけばRubyを構成する要素の多くを理解できるような内容になってます。

たのしい開発 スタートアップRuby

たのしい開発 スタートアップRuby

たのしい開発 スタートアップRuby

先に取り上げた「たのしいRuby」が『Rubyプログラミングの基本を学ぶ』ための本だとするならば、「たのしい開発 スタートアップRuby」はエンジニアではない読者が『Rubyでの楽しい開発を学ぶ』『Rubyエンジニアになる』ための本です。「パーフェクトRuby」がRubyで開発する方法を解説して解説して解説しまくるのに対して、「たのしい開発 スタートアップRuby」は技術的なチュートリアルが半分、エンジニアとしての考へかたや方法論といった内容が残り半分で、開発の経験がないひとにも優しく語りかけます。

具体的な内容としてはRubyの基礎から始まり、アジャイル開発、「パーフェクトRuby」では紹介されてないRuby on RailsRSpecチュートリアルなども含まれます。こちらは「パーフェクトRuby」をすこし難しく感じてしまったひとのうち、Web業界の新人や就職・転職を検討してるひとに強くおすすめです。

Ruby逆引きレシピ

通称: 「レシピ先輩(仮)」。

Ruby 逆引きレシピ すぐに美味しいサンプル&テクニック 232 (PROGRAMMER’S RECIPE)

Ruby 逆引きレシピ すぐに美味しいサンプル&テクニック 232 (PROGRAMMER’S RECIPE)

233項目の「レシピ」に分けてRubyの基本オブジェクトやメソッド、Tipsからプログラミング技法、デザインパターンまでが幅広く、それぞれ簡潔に紹介された本です。刊行から既に四年の年月が経ちましたが*2経年で定番が交代したいくつかのライブラリを除けば、未だに色褪せないレシピ集です。逆引きレシピなので「やりたいこと」ベースで目次または巻末の索引から探すのが王道ではありますが、個人的にはぱらぱらっと適当なページをめくって読むのが好きです。

注意としては、「逆引きレシピ」の刊行当時とはRubyGemsのエコシステムについては変化が多いので、「パーフェクトRuby」の内容を参照するようにしてください。

著者のひとりはAsakusa.rbに、残りの4人はRuby札幌によくいらっしゃいますので、気軽に遊びにいって話しかけてみると良いです!

メタプログラミングRuby

メタプログラミングRuby

メタプログラミングRuby

「パーフェクトRuby」でもメタプログラミングについてはPart3のおよそ100ページもの分量が割かれてますが、「メタプログラミングRuby」は300ページまるまる濃厚にメタプログラミングです。正直言ってRubyの経験がない状態で「パーフェクトRuby」のPart3章を読んでも得るものは少ないのですが、Rubyの基礎を知らない状態で「メタプログラミングRuby」を読むことも難しいので、「パーフェクトRuby」のPart2を読んだあとPart3はさらっと読み流しつつ、「メタプログラミングRuby」を読み始め(時に往復しながら)、再度Part3を読むことで納得が得られるのではないかと感じました。相互補完!

明解! Ruby―奥深いRubyの文化を身に付けるテクニック

これも2012年末に発売された、かなり新しい本です。

明解!Ruby―奥深いRubyの文化を身に付けるテクニック

明解!Ruby―奥深いRubyの文化を身に付けるテクニック

これも「パーフェクトRuby」と同じく、ほかの言語での開発経験のある開発者向けですが、「パーフェクトRuby」を『エンジニアがRubyの言語・ライブラリの仕様を網羅的に学ぶ』ための本だとするならば、「明解! Ruby」は『エンジニアがRubyを活かした開発テクニックを学ぶ』『Rubyistになる』ための本です。開発言語としてのRubyに強い興味を惹かれたならば、こちらも是非読むべき本です。



まとめ

まとめてたらエモい長文になったので全部カットで*3

パーフェクトRuby Advent Calendar 2013の次の記事はid:seiunskyパーフェクトRuby Advent Calendar 2013(5日目) - すがブロです。

*1:念のため言っておきますと、はてなダイアリープラス会員ではないので私の手元には一円も入りません。残念ですね!

*2:私が読んだのは2010年の秋だったので… もう三年も経ちます

*3:今回紹介した本のうち、翻訳書を除いた残りには共通した特徴があって勉強会やコミュニティへの参加・交流を強く奨励する章があるんだよ、みたいな話からコミュニティによって一変させられてしまった人生! みたいな話で気がついたらエモくなってました。良くない良くない…

たっどさんを支へる技術AdventCalendar2013

どこまでがんばれるかわかりませんが、がんばります ヾ(〃><)ノ゙☆

豫定は未定。

2013年12月
1. ぼくのEmacs
(.emacs Advent Calendar)
2. 3. 1分で学ぶ国際化の初歩
(1分で実現できる有用な技術)
4. 5. 6. 7.
8. 9. 10. 11. 12. ぼくとFunisayaとクリエイティビティ
(FuniSaya)
13. 14.
15. 16. 17. 18. 19. 20. Bracket,
(Ruby)
21.
22. 23. 24. 25. 2013年とぼく

未定は豫定。

ウェッブアプリケーションエンジニャーにジョブチェンジして、そろそろ一年になります

いままで一年も続けて働いたことがなかった気がするので、驚きです。

ここ二年半ほどの流れをまとめてみますと、ぴかぴかの留年生(2011年4〜9月)→アルバイター(2011年6月〜2012年3月)→自宅警備員(2012年4〜8月)→東京放浪無職(2012年8月)→業務(ギソー)委託(うけおひ)エンジニア(2012年9・10月)→自宅警備員(2012年11月)→現職アルバイト(2012年11月〜2013年2月)→現職(2013年3月〜) みたいな感じです。

何やってたの

アルバイトとして入社してから最初の仕事はGitとmarkdownでぼくのかんがへたさいきょうの文書管理システムを開発することでした。WebフレームワークはRuby on RailsJavaScriptライブラリにjQueryを使ってCoffeeScript、それとCSSフレームワークTwitter Bootstrapを使ってSCSSで、みたいな感じです。もともと僕はISO-HTMLが好きでいろいろ書いてたのですが、まともなWebアプリケーションは書いたのはこれが初めてでした><

今考へてみるとちょっとRailsのレールに無理やり乗りすぎた感もありますが、まあそんなに多数の同時利用があるサービスでもないので良いのかなー、と。zonuexe/ruby-activerecord-bracketはこれを作るために書いた処理をgemとして利用できるように切り出したもの… なのですが、動的ファインダを使ってるので不必要にRails3依存してる感じがありますね。つまり、まだRails4に移行してないのですが… そのうちやりたいですね。そのうち。

そのあとはAPIを作るお仕事とかしてました。お仕事をしてる領域としては、Inside pixiv's infrastructure〜application cluster side〜で紹介されてるAPIのあたりの開発とかしてます。入社したての頃は「縦セタが良いことは認めるがしかし、まっぴるまからたてセタ縦セタと、一体なんなんだこの会社は…」と思ったのも良い思ひ出です。 たてセタいいよ縦セタ

あとは社内向けのWebサービスとか作ったりもしてたのですが、表に出しても良さげな辺りだとpixiv.meとか作ってました*1。まあこっちは、もともと構想のあったものを実装しただけで、僕は実装しただけですね。本当はもっと別のドメイン名になるはずだったものが、id:itochan315先輩の機転で現在の名前になりました。モンテネグロ最高!!!!

勤務環境について

明治神宫の北参道新宿御苑にとても近く、良い立地です。代々木駅は山手線・中央総武線大江戸線が止まるし、そもそも新宿まで行くなら歩いて行った方が近いような距離なので交通の便は割と素敵です。

ドリンクが無料なのはとても良いです。前々職(時給850円)とか前職(単金15万円)のときにはだいぶ近くのコンビニで泥水(こーひー)を買って飲んでたので。 …のだけれど… 健康… 自制重要。甘いものばかり飲んではいけません。

個人での作業中はずっと音楽を聴いてて良い環境なので、家に居る時間はずっとアニソンを聴いてるような僕には、とてもとても捗る環境です。周りに人が居るので歌へないのだけが玉に瑕ですが… まあそれは仕方ない。

使用するコンピュータは完全に個人の趣味で選べるようになってて、Macを使ってるひとは多いですが、Windowsもそれなり、Debianのデスクトップを使ってる人も居ます。エディタはVim派とEmacs派がおほよそ拮抗しつつもVimがやや多く、第三勢力に非日本人勢を中心にSublime Text派、最近入社した人はIntelliJ派(RubyMine, PhpStorm)も居る、みたいな感じのように観測してます。

僕はMacParallels DesktopUbuntuのデスクトップでEmacsでTRAMPとmagitが一番捗ります ヾ(〃><)ノ゙☆

何をやり遂げたの

これからやりたいこと

  • 幸せになるために .emacs をちゃんとする
  • 幸せになるために会社の近くに引っ越す
  • 幸せになるために茸を捨てて庭に帰る
  • 幸せになるために Android を捨てる
  • 幸せになるためにサーバを一台組む
  • 幸せになるために SICP をちゃんと読めた暁には餘勢を駆って TaPL まで読んでみたい (死亡フラグ)

がんばります。僕は幸せを手にします。おちんぎんが出るまで幸せは遠い感じもしますが。あと PHP と英語。

「就職しました」エントリ

ってことらしいですが…

  • .emacs は継ぎ足し継ぎ足し… なんかいろんなべんりスクリプトは日常的に試してます
  • 会社の割と近くに引っ越しました
  • 茸を捨てて庭に帰ってきましたよ
  • HTC J Butterfly良いですね。Androidは捨ててないけどiPad mini買ひました
  • 組んでない…
  • あれ… SICPもTaPLも全然読んでないぞ…?
  • PHPは楽しいですね ヾ(〃><)ノ゙☆
  • あいきゃんとすぺあくえんぐりっしゅ…

つらい。がんばります。

一年で思ったこと

ひとりで生きてると自分の人生経験は特異的だと考へがちだけれど、周りのひとたちは自分以上にとてもすごいことができたり、知ってゐたりする。それを肯定的に認識することで自分は知ってるけど周りのひとは知らないようなことは却って浮き彫りになるし、自分への自信を深めていけると思った。とは言へ足りない部分も自分で多く見えるので、その点はゆっくり補っていきたい。それぞれの信念やサービスへの思ひ入れにがあって働いてるひとが多い職場で、自分がそれに決して劣るものでないと自信を深めていくために、良い一年間だったと思ふ。

何をやりたいの

なんか紆余曲折がありまして、Webセキュリティ方面をちょっとまじめに勉強しようみたいな気分が高まってます。それとなんかいまさらな気分もあるのですが、いまさらながらにアジャイルなプロジェクトマネジメントみたいなのに関心高まってます。あと、Emacs環境をもっと快適にしていきたのとVim的な操作を会得したい感じありますね*2

個人の趣味としては… まあいろいろ進めてます。それとリスプ書きたい… コンパイラの勉強したい… スパロボしたい… といろいろ意識は高まってるものの、まあ興味があまりに分散しすぎない程度にいろんな方面に浅く広く手を出していきたいなあ、と。これから一年で、もうすこし広く、もうちょっとだけ深い人間になれてると良いですね ヾ(〃><)ノ゙☆

あ、最近でもやる夫スレを読む趣味は尽きてないです。

最後に

ピクシブ株式会社では、世界中のクリエイターに対して創作活動がより楽しくなるような事業を提供しています。
この場所でよりクリエイティブな未来を一緒につくりませんか?

ピクシブ株式会社 採用サイト

ってことらしいので、そんな領域で働くことに興味のある方はぜひ一度、遊びにおいでください ヾ(〃><)ノ゙☆

*1:[pixiv] お知らせ - リダイレクトURLサービス「pixiv.me」をリリースしました

*2:いまやEvilがあるので、前者と後者はまったく矛盾しない

なぜ「現代仮名遣い」で書かないのか

別に使ふ理由がないから、現代的ではないから、この假名遣を決めた連中が気にくはないから。以上。

ではあまりに不親切なので、ウィキペディアでも読んでろよ、といふ気持ちをぐっとこらへていまの自分の思ひについて書くことにする。

(その前に補足。この記事では「かなづかひ」を「假名遣」と漢字で書く。この字は常用漢字表にある新字体「仮」と同じだが、僕はこの字が大嫌ひなので可能な限り避ける。この「假」の右側は「暇」とまったく同じで、音読みは同じ「カ」である。ここで注意してほしい。「暇」は常用漢字表に掲載されてゐて、「假」よりも画数が多いにもかかはらず、「日反」のような略字になってゐない!)

はじめに「現代仮名遣い」について。これは1986年に公布された内閣告示であり、昭和61年内閣訓令第1号によって各行政機関においては,これを現代の国語を書き表すための仮名遺いのよりどころとするものとするとされた。これ以降、この表記法が「日本のお役所における正書法」となってゐる。ここで、この内閣訓令が効力を持つのはお役所、それも、国の行政機関に対してのみであることに気をつけてほしい。

この「訓令」といふことば、何かで聴きおぼえがあるかもしれない。それはおそらく、ローマ字の「訓令式」ではないかと思ふ。この訓令式ローマ字は小学校の教科書に掲載されてゐるれっきとしたローマ字の表記法であって、これも1954年の内閣訓令による、いまも有効な正書法だ。加へて、ISO 3602といふ国際標準にもなってゐる。

訓令式に対して現代の日本で主流のローマ字表記はヘボン式と呼ばれる方式の亜種である(ここでローマ字とは、アルファベットのことではなく、日本語をラテンアルファベットの26文字を使って書き表すことを指す)。訓令式ヘボン式の差異はいくつもあるが、たとへば「自社製府地図(じしゃ/せい/ふ/ちず)」といふことばがあったとして、これは訓令式では「Zisyaseihutizu」、一般的なヘボン式では「Jishaseifuchizu」となる(このそもそもそんなことばはないのだが…)

自分の名前をアルファベットで書くとき、ヘボンだ訓令だと気にすることが、どれだけあるのか。現状では各自が拘りを持って、好き勝手にローマ字表記を決めてゐる、といふのが実際のところではないかと思ふ。またはキーボードの日本語入力などはフリーダムの極みで、単に個人の習慣やキーの押しやすさで好きなものが選ばれる。ここに政府による強制は存在しない。

ここで假名遣の話に戻すが、現代仮名遣いが政府によってよりどころを示された守るべきルールであり、これに背くことが非難されるべきことなのだとすると、同格の内閣告示・内閣訓令による訓令式ローマ字も同様に遵守すべき基準なのではないか。このどちらかのみを責めたてるのは二重規範である*1

現代仮名遣いは一般の社会生活において現代の国語を書き表すための仮名遣いのよりどころとして公示されたものではあるが、前書きにこの仮名遣いは,科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではないともある。つまり私的な文章や技術的な記事を書くにあたって、この假名遣を盾にして非難される筋合はなく、「読みにくい」は単なる個人の感想の域を出ない。

ここまでで「なぜ現代仮名遣いで書かないのか」の理由のひとつ「別に使ふ理由がないから」を説明した。

……とはいっても、現代仮名遣いで書かれてゐない文章が読みにくいと感じるのも道理ではある。出版物・道路標識・そのほか身の周りにある日本語文は、ほとんどすべて現代仮名遣いと新字体で書かれてゐる。

歴史的假名遣は中学・高校の国語科で扱はれるので義務教育を修了した人ならば、「ゐ」「ゑ」などが使用された現代文を読む準備があるはずなのだが*2、実際にはその単元の後には目にする機会がなくなるので、そのまま「読みにくい」といふ認識が残ってしまふことは十分理解できる。

ウェブなどでは現代仮名遣いで書かれない文章*3の使用者に対して、まるで踏み絵のように「お前は本当に仕事でもそんな書き方をするのか?」と批難されることがある。

私は基本的に業務で作成する文書、連絡、あるいは出版社などから原稿料を頂戴して寄稿する記事などには、躊躇なく正格の現代仮名遣いで書く。上記のようなことを一々説明し説き伏せる理由など特にないのと、假名遣に拘ることなどよりも大切なことはいくつもあるからだ。

http://hitode909.hatenablog.com/entry/2013/09/09/130736

この記事を書いたのは id:hitote909 の書いたbookmarkletがきっかけなのだけれど*4、この記事には批難はなく、読みにくいといふ感想と要望が書かれてゐて、それを表明されることは望ましいことではある(むしろはてブにそのような感想がいくつもつくことを期待した)。

ただ純粋に疑問なのだけれど、ライセンスの選択を恐れる必要はありませんは、假名遣を直したところで本当に読みやすくなるのか?

そもそも日本語としてこなれてゐない箇所、翻訳が極めて怪しい箇所、一般的ではない訳語を説明なく残してある箇所が、まだいくつもある。そんな不親切な文書が、本当に読みやすいのか? 「わかりやすい」とコメントしてる人はみな流し読みをして、わかった気になってるのではないか? そんなことを考へると、おそろしくなる。

読みにくい日本語に対してブックマークレットでパッチを当てることは素晴らしい対処法だと思ふし、僕がその立場だったら同じことをするかもしれない。しかし、ひらがなと漢字の数文字を置換する小手先の手段よりは、原文かライセンス本文を各自で読みにいった方がずっと生産的なのではないかと感じる。

それに関して有益な情報なので多くの人が読めるほうが役立つと思うについて。その理窟を持ち出すならば、英語でChooseALicense.comの解説記事を書くのが、もっと多くのひとにライセンスの理解をひろめるベストな手段だったのではないか*5。実際には、想定を上回る人数があの記事を読みにくいながらも読んでるらしいので、私としてはなほさら現代仮名遣いで書く理由がなくなった。

最後に辯明をしておきたいのだけれど、あのdiffについては単純にtypoですね。僕はいつもSKKを使って書いてゐて、現代仮名遣いで書いてから変換するような面倒な手間は経てゐない*6

あとふたつの理由

  • 現代的ではないから
  • この假名遣を決めた連中が気にくはないから

ぐぐれ。

*1:公平のために、政府によるローマ字表記の指針としてはもう一つ「外務省ヘボン式」と呼ばれる方式も存在することを紹介しておく。実際に道路標識や案内板のローマ字表記はこちらに従って書かれることが多い。しかしこれは「フェ」を「Fue」と表記する表記法である。……ほんとにこんなものを支持できるのか?

*2:これは、理系の立場でいふと「高校出てるなら微分も確率も計算できるはず」みたいな話になるのではないか…?

*3:これには、歴史的假名遣に加へて、ギャル文字など、かなを別の記号に置換したもの、ぁぃぅぇぉゃゅょなど小書きにするものなどを含む

*4:それはさておき、これのお蔭でHatena::Letといふサービスを知れたので、とても感謝したい

*5:ただし私は英語が書けない

*6:そもそもSKKは基本的に假名遣にまったく依存しない

「就職しました」エントリ

(この記事を読んでる人はなんとなく察してるよね、の前提で) 就職しました

僕がこの日記を始めた 2010年7月22日 の記事とか読むと、ほんとにイシキタカイ系プログラミングのガチ初心者、といふか大学4年なのにろくに就活もしてないておくれ系大学生から、よく頑張った気がします。

なんでこの会社選んだのよ

直接的な動機としては YAPC::Asia で中の人たちと話して「遊びにおいでよ」→「面接しようよ」みたいな流れでした。副次的な理由としては、一利用者として、熱心にでこそないものの頻繁に利用してたサービスであって、イラスト以外にもやる夫スレや 2ちゃんねるの SS など二次・三次創作を積極的に楽しんでゐる者としては、その成功例に非常に興味がありました (←面接で言った)。

まさか通るとは露にも思ってなかった (ほんとに記念受験のつもりだった) ので半ば青天の霹靂だったのですが、ろくな成果物もなく、よく採用する気にけふんけふん。いまの技術力の不足はまったく自覚してるので、成長を見込んで雇ってもらったのはありがたいことでなので、これからも 趣味の範囲で たゆまぬ努力が必要ですね。

いつから働いてたのよ

2012年11月16日からです(キリッ

前歴ほぼニートでいままでの開発実績とかろくなのがないので、とりあへず新しい Web サービスを Ruby on Rails で構築しようかといふ感じでした。僕は幸ひにも Ruby 大好きっ子だったので、勉強しながら Rails で楽しく開発することができました。「MVC? 名前は聞いたことありますが」「あたい知ってるよ、MySQL ってでーたべーすなんでしょ」程度の理解でモデルを作り始めたので、さくっと作ることはできましたが後から機能要件が増えたときに設計変更めんどくさいことに。

12月移行はマレーシアからきたデザイナーと組んで仕事を進めることになり、僕がはじめに作ったデザインはいかにもな Bootstrap Bootstrap 的なサイトだったのですが、彼が参加した途端に Bootstrap をカスタマイズした上ですごく意欲的な意匠に仕上げてくれました。 デザイナーのちからって すげー! ちなみに彼の専門は Web ではなかったらしい……。

ただこのサイトは公開する領域が限られてますので、みなさまの目に触れる機会は、もしかすると遠い将来にあるかないか、と言ったところです。ちらっとでも見せられるといいなあ。まだローンチはされてないのですが、もし発見しましたら、おそらくログインは不可能ですがログイン前のページは見られます。それでも十分かっこいいです。

お見せできる仕事としては、PHP と社内の API の勉強がてらに作った、すごーく小さいサービスが、近日中に公開される見込みです。タブンネ。別に大した工夫もなく、べたーっとした実装なのですが。お見せすると言っておきながら、きっと僕の作った部分は目に見えません。ふしぎふしぎ。

これから何の仕事をするのよ

わぁいPHP あかりPHP大好き

割とまじめに言っておくと言語に貴賤はないですし、ちゃんと勉強すれば僕にもいける感じだと思ひます。たぶん… きっと……!

働いてから思ったこと

すごく国際的といふか多国籍といふか、そんな趣きのある会社です。英語が公用語ってほどではないのですが、英語が話せないとコミュニケーションに差支へのあることもありますので、ちゃんと勉強したいところ……!

さういへば、いまのところ自分と同年代の人と働いた経験が皆無だったので、いつもすぐ近くで同年代の人とコミュニケーションがとれる環境はすごく楽しいですね……!

なんか「英語で会話してる横でわかったようなわかってないような顔をしてにやにやしてる」のが僕なので、会話に参加できるときっと楽しいです。

これからやりたいこと

  • 幸せになるために .emacs をちゃんとする
  • 幸せになるために会社の近くに引っ越す
  • 幸せになるために茸を捨てて庭に帰る
  • 幸せになるために Android を捨てる
  • 幸せになるためにサーバを一台組む
  • 幸せになるために SICP をちゃんと読めた暁には餘勢を駆って TaPL まで読んでみたい (死亡フラグ)

がんばります。僕は幸せを手にします。おちんぎんが出るまで幸せは遠い感じもしますが。あと PHP と英語。

自宅警備してたときに考へてたこと

自分には何ができて、何ができないのかをよく把握しよう努めて、それを補ふためにがんばらうとしてました。思考法としてはともかく、それを理想通りに実践できてたかと考へると、おそらくできてないです。

全てのハックはももんがに通ず

ももんが Advent Calendar 2012の四日めです… ヾ(〃><)ノ゙

コンピュータの得意な方は、コンピュータともももんがと関係の無い事を、コンピュータの得意でない方は、ももんがとは関係無くコンピュータに関する事を書きましょう。ももんがと関係の無い事は、要するにももんがに関する事です。

ももんが Advent Calendar 2012 - c4se記:さっちゃんですよ☆

なるほど、僕はさっちゃんにしてやられたといふわけだ。コンピュータが得意でない僕は ももんがとは関係無くコンピュータに関する事を書 くしかないじゃないないか。全ての道はローマに通ずるのだ。

だが困った。コンピュータに詳しくない僕に、いったい何が書けるといふのだ。コンピュータに詳しい者はハッカーと呼ばれると、コトワザにもあるではないか。ふむ。ハッカーについて書けばコンピュータについても書いたことになるのではないのか。

ハッカーとは何か? 「テンサイ級・ヤバイ級にコンピュータに詳しいワザマエを持つタツジン」をハッカーと呼ぶのだ、と主張する人も居る。しかしそれは違ふのではないか? お前は ブラッディ・マンデイ を読んでないのかよ*1

曰く、主人公のタカギ・フジマルはテンサイ級の能力を持つ凄腕ハッカー『ファルコン』であるといふ。彼はどんなコンピュータにでも難無く侵入できるスキルを持つといふ。では 侵入とは何なのか?

まづ初めに、目の前にある機械(それはUNIXマシンかもしれないし、携帯IRC端末であるかもしれないが)は、単なる計算機に過ぎないといふことに留意する必要があるだらう。つまりは電卓の化け物だ。それは計算能力的には副作用のない、入力に対して演算を行って一定の出力を返す純粋な機械でしかないのだ*2

計算機への入力はUNIXマシンの前で坐禅を組み精神統一してキーボードを叩くべし、と心に決めてゐる者もあるかもしれないが、実際にはLANケーブルを通じて遠隔地にあるUNIXマシンにIRCログインすることもできる。しかしハッカーは、あなたに代って遠隔UNIXマシンにログインしてしまふこともあるのだ。それが「侵入」である。インガオホー!

では、いかにハッカーはあなたのUNIXマシンに侵入するのか? ひとつにわかりやすいものとして、あなたのログイン名とパスワードを盗み出すことだ。そのハッカーとは、あなたの兄弟であるかもしれないし、夜には熱く前後する仲の恋人であるのかもしれないのだ。サツバツハッカーのワザマエにしてニンジャめいたこの技術を、人はソーシャル・エンジニアリング・ジツと呼ぶ。

次に、セキュリティホールを突きユーザの権限を奪ってしまふ方法だ。IRCの仲間がメッセージを通じて、便利なソフトウェアを送ってきてくれるかもしれない。ブッダシット! それはハッカーの狡猾な罠なのだ。あなたのUNIXマシンで起動されたプログラムはデータをハッカーの元に送り、あまつさへUNIXマシンの上であなたのキーボード入力を、そしてパスワードの入力を盗み続けるかもしれない。備えよう。

以上、平安時代の哲人剣士、ミヤモト・マサシのハック戦術書よりの抜萃。石にも仏性があるが如く、ももんがは斯くにも Hackable な概念なのである。

マッポーの世である現在ではユーザとパスワードのみで認証するのはあまりにもウカツなことであり、そのようなUNIXマシンを設計した担当者=サンは上司にセプクを強要されるかもしれない。少くとも指を数本ケジメされることは覚悟することだ。

*1:たっどさんは読んでないって言ってました

*2:現実にはハードウェアの環境や劣化破損、またはその他の物理的影響によって「常に」一定とはいかないが、この場では措いておく