むかし見ていたアニメの話をしよう。
この作品は… なんといえばいいのだろう。
今でこそ多種多様な属性の多数ヒロイン制の作品はマンガ・ゲーム・アニメとありふれていると言っていいだろうが、HAPPY★LESSONが発表されていた2001年〜2004年というのは、まあまあ早い時期だったと言ってよかろう。ラブひなやシスター・プリンセスのような先行作品は既にあり、その流れの一部ではある。
このHAPPY★LESSONは電撃G'sマガジンという雑誌の読者参加企画で、先ほど触れたシスター・プリンセスがあまりにも有名。この企画からは双恋やストロベリー・パニック!といった多数のヒロインが登場するタイトルが知られている。そう、もともとはラブライブ!もこの雑誌が出典である。μ'sのファーストシングル「僕らのLIVE 君とのLIFE」はその時期に発表された楽曲で、シングル発売時はμ'sという名前もついておらず「ラブライブ! School idol project」名義だった。
……で、HAPPY★LESSONの話だった。私がこの作品を知ったのは2002年4月から6月にかけて地上波で放送された『HAPPY★LESSON THE TV』からだった。テレビ北海道(TVh)は大変に優秀な放送局で、テレビ東京系列でありながら俗にUHFアニメといわれる全国ネットワークではない独立放送局制作のアニメ番組を多く放送してくれていた。
(UHFというのは電波の種類で、大手ネットワーク加盟の先行する放送局の多くがVHFという周波数帯の電波で放送していたのに対比して、後発のテレビ局は独立UHF局のように呼称されていた。2003年に地上波デジタル放送が開始されてからは日本国内の全テレビ局がUHF帯を使用しているので形骸化した分類である)
放送時期でいうと、2002年4月は私が初めて深夜アニメを見始めたという点でも印象深いが、あずまんが大王だとかちょびっツだとか、後生に残る大名作が放送開始されたという点でも特筆すべきシーズンといえる。そのほかには「天使な小生意気」「藍より青し」「.hack//SIGN」、昼間には「電光超特急ヒカリアン」「爆闘宣言ダイガンダー」「ぴたテン」「満月をさがして」「ミルモでポン!」「東京ミュウミュウ」「ロックマン エグゼ」などなど、弱冠13歳の少年がアニメというコンテンツに夢中になるにはオーバーキルが過ぎるラインナップのアニメが放送されていた。
もちろん私は、あずまんが大王もちょびっツもどはまりしていたし、どちらも人生に不可逆な影響を与えた作品だということは言うまでもないのだが、それらの作品群と並んでも「HAPPY★LESSON」は私の心の中で特異な地位を占めている。私はやはり「あずまんが大王」「ちょびっツ」の両作品ともにアニメ音楽史を語る上でも欠かせないマスターピースだと捉えているが、「HAPPY★LESSON」はそのような地位や普遍的な評価とは一線を画す一作だったように感じられる。
ここまできてようやく表題の「夢の都 TOKYO LIFE」の話に移ろう。これは『HAPPY★LESSON THE TV』のエンディングテーマだった。歌唱は中川亜紀子さんで、金田一少年の事件簿の七瀬美雪やフレッシュプリキュア!の山吹祈里/キュアパイン、それからマクロス7の花束の少女やシビルなどの役を演じてきたことで知られる。
アニメソング、特に主題歌はアニメ本編と関連しているべきかという議論は今も昔もかまびすしいことこの上ないが、この曲はどちらかというなら「アニメ本編とは関連していない」一曲だというように連動されよう。しかし、それが私の心を貫いた。
非常に残念ながら、HAPPY★LESSON関連楽曲はまったくサブスク配信されていないが、アニメは配信されているのでその一部として聴ける。
HAPPY☆LESSON THE TV」をU-NEXTで視聴
曲単体でも曲名で検索すれば視聴そのものは難しくはないかもしれない。