要するに pythonbrew
(短縮コマンド名 pybrew
) はもう作者自身では積極的にアップデートしませんよ、でも fork としてこんなんありますよ、ってことで pythonz
が紹介されてる。
Pythonz は pythonbrew の直接の代替品ってわけではなくて、いろいろ削られてる。
switch
(デフォルトのpython
を切り替へる)use
(現在のシェルで使用するpython
を切り替へる)buildout
(zc.buildout
相当の機能)venv
(virtualenv
相当の機能)
退化してるやうにも見えるけれど、正直バージョンの切り替へは煩雑なのでなくても良いだらう。それに、手元の環境では pybrew buildout
, pybrew venv
はうまく動作してゐなかった。
これらは改善・保守の見込みがないので、virtualenv
と zc.buildout
を入れて使ふのが良いだらう。
あと、pybrew
では Python のインストール直後に入れてくれた easy_install
, pip
も、やはり入れてくれなくなってゐる。
バージョン切り替へ機能に関しては pybrew
を使ってゐて特に不具合はなかったので、もし必要ならばそのまま移行せずに使ひ続けても良いかもしれない。
ってわけで、切り替へ機能は特に必要はないので、 Ubuntu 12.04 LTS Desktop 日本語 Remix CD に開発環境の整理がてら Pythonz のインストールをキメてみる。
最初にビルドツールと各種ライブラリをインストールしておきたい。
sudo apt-get install build-essential python-dev curl sudo apt-get install libncurses-dev libreadline6-dev libbz2-dev liblzma-dev libsqlite3-dev libgbm-dev
次に、Pythonz をインストール。標準のディレクトリ $HOME/.pythonz
で良い場合は次の一行で入る。
curl -kL https://raw.github.com/saghul/pythonz/master/pythonz-install | bash
任意のディレクトリ (/path/to/pythonz
) にインストールしたい場合はこんな感じ。
export PYTHONZ_ROOT=/path/to/pythonz curl -kLO https://raw.github.com/saghul/pythonz/master/pythonz-install chmod +x pythonz-install ./pythonz-install
で、.bashrc
なり .zshenv
なりに次の二行を追記。任意のディレクトリにインストールした場合は適宜書き換へ。2.7.3
以外のバージョンでも適宜。
僕は zsh
ユーザなので $HOME/.zshenv
に書いておく。
[[ -s $HOME/.pythonz/etc/bashrc ]] && source $HOME/.pythonz/etc/bashrc export PATH=$HOME/.pythonz/pythons/CPython-2.7.3/bin:$PATH
で、いいのかなあ(疑問)。
これで一往動く。 PATH
のディレクトリは現存しないけど、後でもう一度エディタで編輯するのは手間なので。
.pythonz/etc/bashrc
を読めばわかるのだけれど、これを source
した後に、.pythonz
下の Python の path を追加する必要がある。
source $HOME/.zshenv
するか、シェルに再ログインすると pythonz
コマンドが使用可能になってゐるはず。
pythonz install 2.7.3 rehash
rehash
は zsh
の場合のみ。
あとは which python
で、/home/megurine/.pythonz/pythons/CPython-2.7.3/bin/python みたいに出力されればインストールは成功。/usr/bin/python のやうな path ならば正常にインストールできてません。
curl http://peak.telecommunity.com/dist/ez_setup.py | python rehash
これでeasy_install
がインストールできるので、 which easy_install
で上記と同じディレクトリに入ってゐるかを確認。
Ubuntu の /usr/bin/python
なら sudo
を付けないと easy_install
はインストールできないはずなので、それっぽく動いてればおk。
確認できたなら、次に pip
を入れておきます。 pip
は easy_install
より賢いやつ、ってことで間違ってないです。
easy_install pip rehash
最後に virtualenv, zc.buildout 、ついでに Mercurial も入る。
pip install Mercurial pip install zc.buildout pip install virtualenv rehash
Mercurial (hg
) は頻繁にアップデートされるのに Ubuntu のリポジトリではあまり追従してくれないので、これは pip
を使っておくのが便利。
さらに最新版にアップデートしたいときは pip install Mercurial
で。